【1】シェイプキーって何?
キャラを動かす仕組みのひとつ。仕組みは2種類ある。
ボーンで動かす
- モデルに 骨 を仕込む。
モーションデータで骨を動かすと、肉が付いてく、という仕組み。 - 体、髪、しっぽ などを動かす時に使う方法。
- 肉が付いてくためには、
「頭の骨が動くとき、一緒に頭の肉も付いてってね」と指定する作業が必要。
(ウェイト塗り・ペアレント)
シェイプキーで動かす
- 頂点を動かして、位置を記録していく方法。
なので、動かす頂点が多いほどデータが重くなる。 - 表情づくりに使う。
- ほかの3Dソフトで「ブレンドシェイプ」「モーフ」とも呼ばれる。
- 「表情はシェイプキーじゃなきゃダメ」ってわけではない。
まぶた・アゴ・舌などにボーンを仕込んで、動かすこともできる。
しかし VRChat や VRM (Vroid) のモデルは、
口パク・表情をシェイプキーで表現する仕様があり、
細かく表情を指定するならシェイプキーを使うことになる。
【2】基本のつくりかた
つくる前の注意
■シェイプキー作成前にチェック!
- モデリングは完成した?
- モディファイアは適用した?
なんで気をつけなきゃいけないの?
- シェイプキーがついたオブジェクトは、好き勝手に頂点を増減できない。
(頂点を増やしたり消したりすると、シェイプキーが壊れる可能性がある) - シェイプキーがついたオブジェクトは、モディファイアを適用できない。
(アドオンで適用できるようにはなるが、エラーが出るリスクは少ないに越したことない)
私も、完全に最後の作業かというとそうでもないのですが、
モデリングやウェイト塗り&ポーズ確認など、
頂点をたくさん動かしたり、増減する作業は終わらせてからの方が
安心して作業できます。
また、
- 顔トラッキングの方法やツール
(VSeeFace、VmagicMirror、Luppet、3teneなど)によって、
セットできる表情の数が変わってくる
ってのもメモ。
(初心者のとき表情たくさん作ったけど、使えない事があった)
② 編集する
① 編集モード
② Key 1 を 選んで、頂点をいじろう
① キーを作る
① オブジェクトを選択して…
② を押したところに「シェイプキー」
③ +を2回押す
( Basisを作るため、最初だけ2回。次からは1回でOK )
Basis ⇦ ベース。元の姿
Key 1 ⇦ シェイプキーを記録するとこ
わかりやすく英数で名前をつけよう
例)両目つぶり「EYE_close」
④ 消すときはキーを選んで-を押すだけ!
③ 動きを確かめる
① オブジェクトモード
②
- Key1 の 値: 1.0
- チェックを ON にすると、シェイプキーの形になる
③ また、チェックを入れたまま
値を 0-1 でスライドすると、変形中の動きが見れる
- 編集モードでは、シェイプキーを選ぶ
- オブジェクトモードでは、 をつける
モードによって、シェイプキーを見る方法が変わることに注意!
【3】テクニックいろいろ
オブジェクトを統合/分離してもいい?
- 別々のメッシュでも、シェイプキーの名前が同じなら、統合Ctrl + Jしたとき自動でまとまる
- 分離Pしても、シェイプキーが消えることはない
- なので、シェイプキーを作った後でも、メッシュの結合/分離 は気軽にできる
ウィンクを作ろう
- 元の表情(Basis):両目開き
- まず両目つぶりを作って、そのあと片目ずつ表情を合成。
左右のウィンクを作っていきます。
【1】両目つぶりを作る
① オブジェクトモード
- +を押してキー作成
- わかりやすく名前をつける
例:EYE_Nico
② Tabで編集モード EYE_Nico を選ぶ
③ 頂点をいじり、両目つぶりを作る
【2】左目ウィンクをつくる
① オブジェクトモード
- +を押してキー作成
- わかりやすく名前をつける
例:EYE_Wink_L (L = Leftの意味)
② Tabで編集モード
- EYE_Wink_Lを選ぶ
- 透過ON
- Bでボックス選択 左目がぜんぶ入るように選ぶ
③ 編集モードのまま 【頂点】 > シェイプキーからブレンド
- シェイプ:EYE_Nico (混ぜたいキーを選ぶ)
- ブレンド:1.0 (どれくらい混ぜるか? 0.5=50% 1=100% 2=200%)
- 追加:チェックなし ※ 追加のチェックについて
【3】右目ウィンクをつくる
① オブジェクトモード
- +を押してキー作成
- わかりやすく名前をつける
例:EYE_Wink_R (R = Rightの意味)
② Tabで編集モード
- EYE_Wink_Rを選ぶ
- 透過ON
- Bでボックス選択 右目がぜんぶ入るように選ぶ
③ 編集モードのまま 【頂点】 > シェイプキーからブレンド
- シェイプ:EYE_Nico
- ブレンド:1.0
- 追加:チェックなし
シェイプキーの複製(コピー)
さっき作った「ウ」の口を元に、今から「チュー」を作ろう、なんて時に使います。
方法は2通り。
コピー以外にも、表情の合成や置換に使う方法なので、
2つとも覚えてて損はないです。
- 「新規シェイプをミックス…」で作る
- 「シェイプキーからブレンド」で作る
【A】「新規シェイプをミックス…」で作る
① コピーしたい表情を表示しよう
- オブジェクトモード
- コピーしたいキーにチェック。 値を1に
- 他のキーのチェックを外す(または値:0)
② を押して 「新規シェイプをミックスから作成」
③ 新しくできたキーに、表情がコピーされている。動作確認しよう
- 新しいキーにチェック。 値を1に
- 他のキーのチェックを外す(または値:0)
④ キーにわかりやすい名前をつけて、完了!
【B】「シェイプキーからブレンド」で作る
① オブジェクトモード +を押して新しいキーを作る
② Tabで編集モード 作ったキーを選ぶ
③ 【頂点】 > シェイプキーからブレンド
- シェイプ:コピーしたいキー
- ブレンド:1.0
- 追加:チェックなし ※ 追加のチェックについて
④ キーにわかりやすい名前をつけて、完了!
シェイプキーつきオブジェクト、壊さず編集できる?
「シェイプキーの編集」ではなく、
「シェイプキーが付いたオブジェクトの、頂点を増やしたい・減らしたい」ときの覚書。
シェイプキーは頂点に番号をふって位置を記録する。
(頂点インデックスという)
そして、頂点を増減した時に、ベースとキーで頂点の番号がズレると壊れる。
だから基本的に、シェイプキーつきのオブジェクトは頂点を増減したくない。
というのが前提。
そうは言っても、後からいじりたい箇所が出てくることがある。
経験上、単純な頂点の増減やマージは
パーツをPで分離 → ベース(Basis)の編集
で平気だったけど、
どんな編集にしろ番号がズレると壊れるってのは、頭に入れておいていい。
慎重に行うなら…
① 編集するパーツを分離する(壊れる部分を限定)
② 分離したパーツを複製する(キーが壊れたとき用の予備)
③ パーツを編集する
④ シェイプキーが壊れてないか確認
(壊れたらシェイプキーを削除して作り直すか、予備をまた複製して別の編集方法を試す……など)
⑤ 壊れてなければ、元通りにオブジェクトを統合
複製は消す
合成して新しい表情を作ろう
例として「にやり顔」を作ってみる
使う表情は2つ。これを合成してみよう
- EYE_Close 値:0.185 (目をつぶる途中の顔)
- MTH_I 値:1.0 (イーのくち)
【1】表情をつくる
① オブジェクトモード
② 使うキーにチェックを入れて、値をいじる
③ 使わないキーは、チェックを外す(または値:0)
【2】合成する
① を押して 「新規シェイプをミックスから作成」
② 表情が合成され、新規キーができる。動作確認しよう
- 新しいキーにチェック。 値を1に
- 他のキーはチェックを外す(または値:0)
③ キーにわかりやすい名前をつけて、完成!
表情の一部を置き換える
目だけ、眉尻だけ、口の端だけ……
一部分だけを好きな表情に置き換えます。
頂点ごとに置き換えがきくので、細かい調整が可能。
方法はウィンクの作り方と同じです。
① 編集モード
- シェイプキーを選ぶ
- 置き換えたい頂点を選ぶ
② 【頂点】 > シェイプキーからブレンド
- シェイプ:置き換えたいシェイプキー
- ブレンド:1.0
- 追加:チェックなし ※ 追加のチェックについて
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